前回:『黒衣の花嫁』は、こちら。
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【 2. 純白の光明 】
未来「……わたし、いいのかな? 練習で参加しただけなのに」
響「いいと思うッ! 最高だよッ! 可愛いよ未来ッ! すっごく似合ってるッ!」
未来「ありがとう。響も……似合ってる」
切歌「調ッ! アタシはどうデスかッ? どこかおかしなトコとかないデス?」
調「ちゃんと似合ってるよ。……綺麗な花嫁さん」
マリア(戦場ではしゃぐわけにはいかないわ。これはギア。こんなに可愛くてもギアなのよ。……ちくしょうッ! やっぱり可愛いッ!)
ウェディングギアの輝きに装者たちがはしゃぐ中、敵の出現を告げる警報が鳴り響く。
未来「わたしも出撃します」
弦十郎「だめだ。君を戦場に出すくらいなら、俺が直接──」
未来「弦十郎さんにはない、ウェディングギア。この希望をわたしは手に入れてしまったから。お願いです、わたしを響の隣に行かせてくださいッ!」
最前線を受け持つのは、未来を加えた四人のウェディングギア装者。
翼とクリスと調の援護、そしてギアがもたらす幸福感・高揚感の力を受けて、四人は次々と不幸の種子を撃破していく。
切歌「調子の良さに笑いが止まらないデスッ! これなら、いくらでも面白おかしく切り刻めるデスッ!」
クリス「……これはこれで大丈夫なのか?」
響「大丈夫。どんなにフリフリだって、おしゃれなヒールだって。ずっと一緒に強くなってきたこのガングニールなら──ちゃんと、『自分らしく』戦えるッ!」
【 3. 立ちはだかる黒 】
敵の集団を片付けつつ、哲学兵装──その依り代にされた女性の姿を探す装者たち。
彼女たちの耳に、緒川が調べた女性のプロフィールが届く。
名前は城木愛子。二十三歳のモデル。性格は明るく朗らか。結婚を間近に控えていて、それだけに今回の撮影をとても楽しみにしていたという。
弦十郎『目的はあくまで彼女の保護だ。しかし、哲学兵装が暴走を続けている限り、戦闘が避けられる保証はない』
響「それでもッ! 助けたい相手と戦うなんてできませんッ!」
マリア「そうよ。相手は、もうすぐ花嫁になる人なのよ? 花嫁さんが不幸に支配され、幸せになれないなんて間違ってるッ!」
ついに『黒衣の花嫁』を見つけ出す七人。
次々と湧き出る不幸の種子は五人で引き受け、『説得』は響とマリアに託された。
響「わたしたち、あなたの手を取りたくてここまで来たんですッ!」
マリア「あなた、本当の花嫁になるのよね? 掴みかけたその幸せを思い出してッ!」
黒衣の花嫁『しあわ、せ……? そんなもの……この女にはもう……無いッ!』
マリア「待ってッ!」
マリアの言葉も届かずに、再び姿を消す『黒衣の花嫁』。
失意の中、それでも街の被害を最小限に抑えられたことを慰めに帰投する装者たちだが、
未来「ウェディングドレスって……本当に幸せの象徴なの……?」
ギアを解除した未来の胸には、いつしか黒い不安が渦巻いていた……。
== つづく ==
今回の「もったいないポイント」は『未来さん久々に戦場に立つ!』でしょうか。
(XDでも実戦は翳り閃光イベントぶり?)
…まさかそこがNGだったなんてことは…無いよねえ?